Project 03

住み続けたい街づくりを
ICTのチカラで実現する”街の未来”を考える
北杜市DXプロジェクト

北杜市 株式会社エーティーエルシステムズ
北杜市では、将来の予測が困難なVUCA社会の中で、「人と自然と文化が躍動する環境創造都市」を将来都市像として掲げ、子育て世代や若い世代・次世代産業を担う企業に選ばれる街を目指しています。そのうちの一つとして、令和4年度に「DX推進計画(令和5年度~3カ年)」を策定。移住希望ランキングで上位にランクインする北杜市だからこそ、幅広いニーズと地域課題にDXでアプローチし、”住み続けたい街づくり”の実現に向けた具体的なDX計画推進プロジェクトがスタートしました。

プロジェクトメンバー

  • ネットワークエンジニア

    D.G

    プロジェクトマネージャー

  • クラウドエンジニア

    M.U

    技術検証を主に担当

  • クラウドエンジニア

    M.S

    計画策定を主に担当

01

「お客様に恩返しがしたい」
提案から始まったDXへの道

北杜市では、近年の人口動向や経済状況を踏まえ、今後も少子高齢化が更に進行し、地域全体の活力が低下することが懸念されていた。そこで、「DX推進計画」の策定時(令和4年度)から、DX推進による”市民サービスの向上”や”職員の業務効率化”が重要なポイントになっていた。その一方で、人口減少や産業促進などの地域課題はわかっていても、これらの問題解決に向けて具体的にどのように進めていけばよいのか北杜市の職員は悩んでいた。


「新人の頃から北杜市のシステムやネットワークなどICT環境整備に長年携わってきて、育てていただいたので、何か恩返しできることはないかという思いがまずありました。そこで、DX推進を担当している未来創造課と情報部門を管轄している管財課の方々に、自分たちの技術とアイディアで貢献できるのではないかと提案に行ったんです。

「ITは物理的に見えないことが多いからこそ、計画段階から疑問や不安が関係者の中でもあり、不安を解消してDXが持っている可能性を理解していただくことは、当初道なき道を進む本当に難しいスタートでした。」

提案を進めるにあたり、北杜市の実情に合わせてまず何をすべきかの議論から始まった。

「皆さんそれぞれの役割があり、だからこそ様々な立場から課題があります。打ち合わせでは、議論を進めるうえで意見がぶつかり合うこともありました。みんな真剣だからこそです。

議論を重ねた結果、”北杜市の未来を創っていく”ことを目的に、限られた予算の中でより効率的な事業を進めていくという結論に至りました。
いきなり大きな施策を打ち上げるのではなく、小さなステップからはじめ、現状を把握したうえで更に先に進めることを検討していくことになりました。」

クライアントの想いと抱えている現状を整理し、課題解決に向けてお客様と一緒に考えるパートナーであることは、長年自治体業務に精通してきたATLだからこその一番の強みである。

02

生の声こそ道標
見えて来た現場だからこその課題

具体的なDX推進を進めるうえで、まずは北杜市役所内の業務について深いところまで実態把握を進めることを提案した。

「他自治体のDX事例のコピーや机上での計画ではいけない、北杜市役所の現場で利用し続けてもらえる新しい仕組み・働き方・新しい業務にしたいと考えていました。

そこで、まずは現場を知るために、全職員の方にアンケートを行いました。業務やサービス提供において、職員間でのコミュニケーションに困っている声や当時のICT環境への改善など様々意見をいただきました。やはり生の声は、その後のプロジェクトの道標ですね。

「ただ、アンケートの内容を見ると、具体的に何に困っているのか、どう変わったら応えられるのか、より深く知る必要があり、特定の課や支所に更にヒアリングを行いました。」

すると、課によって業務で主要に使っているネットワーク環境が異なる課題があったり、導入しているICTツールが全庁での活用に至っていない様々な背景があるなど問題が浮かび上がった。

「北杜市役所の職員の方々と住民の皆さんが同じ共通のことを課題としている訳ではなく、それぞれが様々な立場から問題を抱えている点があることは、大きな気づきであると共に、きちんと交通整理をする必要がありました。外部との連絡が多いプロモーションを担う部門はインターネット系回線の使用頻度が高く、住民窓口を主とする課はLGWAN系回線の使用頻度が高い。担当課により改善したい環境もニーズも異なります。また、せっかくコミュニケーションツールを持っていても、全庁的に使う文化が定着していなければ、連絡したい相手が見てくれているのかわからず結局使うことができないという組織文化の醸成から検討する必要があることも明確となりました。」

03

スマート窓口の実現
地域課題の解決へ繋がる北杜市のDX

大量のヒアリングデータとプロジェクトでの議論から、一つの大きな課題が見えて来た。それは、北杜市の地域活性のためには必ず解決しなければならない”移住希望者”へのサポートだった。

「コロナ禍を経て加速した地方への移住の波は、北杜市でも同じでした。課題のヒアリング時に、支所の方から『移住相談者が支所に相談しに来てしまうんです。移住相談に来る方は車をお持ちでない方や高齢者の方もおり、本庁に行っていただくようにお伝えするのはとても心苦しい想いをしながら案内をしています』と困った様子でお話がありました。

これはICTのチカラで必ず解決できる問題であり、北杜市にとって大きなテーマでもある”移住”に対してDXのスタートなのではないかと思いました。これが”スマート窓口”実現への第一歩でした。」

現在、住民や移住希望者に向けたスマート窓口の設立が動き出し、これに伴い、庁内無線LAN環境の整備・TV会議用のブースの設置などを進めている。

「スマート窓口が実現することにより、移住希望者の方に足を運んでいただかなくても相談ができることはもちろん、相談へのハードルが下がります。移住を少しでも検討している方との接点を持ちやすくなり、よりニーズに応えることができるようになります。

実際に現場の担当者の方の声を聞かなければわからないことを実感した出来事でもあり、現場の声から地域の課題解決に繋がる取り組みができることはとても嬉しいです。
自分自身も山梨県で生まれ育って来たからこそ、仕事を通して地域社会に少なからず貢献できることを実感しました。」

04

お客様が利用するシーンを如何に自分事としてイメージできるか

本プロジェクトでは、一部の職員の方に新しいコミュニケーションツールとして、Microsoft Teamsの試行運用を実施した。しばらくして実際の利用に問題ないか現場に行き、フォローアップも行った。しかし、その後のアンケートの結果では、TeamsのWeb会議を利用した職員は、実証に参加した職員の3分の1程度に留まっていた。使わなかった理由、それは…。

「Web会議を行う文化が定着していない中で、スペース削減等の理由からWeb会議システム端末の電源が切られており、すぐにWeb会議を開始することができず不便だ。という声もありました。

ここは私たちも改めて、「ツールを入れること」「ICT機器を整備すること」が目的となってしまっていたことに気づかされました。
お客様と打合せを重ねてどのようなシステムを入れるか、どのように運用していくかを検討して、構築して、やっとの思いで納品をして……私たちはそこが最初のゴールなのですが、お客様にとってはそこがスタートなんですよね。」

「新しく入ったシステムや機器を利活用していくには、組織文化の醸成が必要であることの重要性を改めて感じました。またWeb会議スペースが不足するならば、自席や個別ブースで会議が可能なスペースの確保や庁内無線環境を整備することも大切な施策となります。

現在は、これらの課題に対してどんな施策を打っていくのか、その計画策定と実証を行っています。」

平成の大合併からICTパートナーとして北杜市様を支援してきたATLだからこそ、できることがある。蓄積してきた北杜市の行政現場の知見や運用事業者としての理解を大切にし、最適化されたDX推進とICT環境の提供ができるように、これからも北杜市の新しい未来を創る取り組みは続く。

  • プロジェクトメンバーからのメッセージ

    ATLの仕事は多岐に渡りますが、”直接”お客様(自治体現場)の困りごとを聞き、それにどのように応えるかお客様と真正面から向き合う仕事は、やはりやりがいをとても感じます。
    「北杜市のこれから」について、方針・計画を検討していく今回のプロジェクトは、まさに”自分たちの手で地域を変えることができる”という実感がメンバーのモチベーションにも繋がっていきました。
    地域の未来に携わることができる仕事が、ATLにはあります。

  • クライアントからのメッセージ

    企業や自治体のDX推進が全国的に拡大していく中で、北杜市においてもDX推進計画を策定し、全庁的な取り組みとして動き出していくことになりました。しかし、現状のネットワーク環境や端末運用等を当たり前として捉えている市職員ではどこから手を付けてよいかわからず、一歩が踏み出せない状況でした。
    そんな中、本市のネットワーク保守を手掛けるATL様より庁内ネットワークの最適化計画についてご提案いただき、職員へのアンケートや聴き取り等から、本市が潜在的に持っている課題等を洗い出し、限られた予算で効率的な庁内ネットワークの最適化に舵を切ることができました。