東京都立高校17万人の生徒一人ひとりの可能性を無限に
生徒と教育の未来を考える
東京都教育ダッシュボードプロジェクト
この世界でも類稀な一大プロジェクトは、東京都のみならず全国の教育の未来を変えることができると信じています。日本の教育の未来を担う挑戦が山梨で生まれました。
プロジェクトメンバー
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DS部 部長
K.H
プロジェクトマネージャー。ATLのデータソリューション開拓者。
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データエンジニア
C.N
教育データ活用に技術と情熱を注ぐデータエンジニアのリーダー。
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システムエンジニア
H.H
行政データ分析の知見を教育分野の未来に繋ぐシステムエンジニアのリーダー。
「一人ひとりの生徒が持つ力を最大限に伸ばす」 日本の未来を担う教育データ活用の実現を目指して
東京都教育庁が「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」と題して〝東京都教育ダッシュボード〟の構想を進める中、令和3年、ATLは東京都教育ダッシュボード『設計業務』の入札に敗れた。日本の教育の未来に繋がるこの取り組みこそ、私たちが東京都と共に必ずカタチにしたかった。
そして時が経ち令和4年、東京都教育ダッシュボード『構築業務』の公募が行われた。私たちは、ATLが開発して既に教育現場で利用されていたオリジナル製品〝教育情報分析基盤〟をメインシステムとした教育現場でのデータ活用による新たな学びの可能性を提案した。
「提案にあたっては、開発メンバーとシステム構成について何度も協議を重ねました。また、仕様書をもとに構成設計、機能シミュレーション、データ処理設計などパートナー企業の方、海外クラウドベンダーのエンジニアとも協議を繰り返したことを覚えています。ATLでも組織を横断したメンバー達とアイディアを出し合い、とても大きなエネルギーを要する提案でした。提案書が完成した時のことは、今でも覚えています。」
教育現場の”すごい未来”の扉が開いた瞬間
教育現場における前例のない教育データ活用とそのニーズを実現するため、最適なシステムを提案することはとてもハードルが高い。日々データ分析技術が革新し、サービス利用開始となる約1年後の技術を想定した有効なシステム構成をどこまで実装できるのかなど大きな壁があった。
「多くの仲間の知恵と技術を集結して提案をし、ATLのオリジナル製品である”教育情報分析基盤”がこのプロジェクトのメインシステムに選ばれたことがわかった瞬間、今まで体験したことのない大きな興奮がありました。教育現場の”すごい未来”の扉が開いた時でした。もちろん期待と不安がありましたが、ATLのデータソリューションの歴史がこの大きな挑戦に繋がったことは感慨深いものがありましたね。」
「このプロジェクトでは、単に膨大な教育データを集約して分析するのではなく、本当に教育現場で使える分析の先にあるサービスは何かを考え、国内に留まらない将来性のあるシステムにすることを大切にしています。そのため、海外の開発ベンダーのエンジニアとやり取りをしたり、為替変動による見積金額の積算見直しが発生したり、これまであまり経験することがなかったハードルもありました。”最も優れたモノを教育現場で活用してほしい”という想いをチームで共有し、様々なハードルを一つずつクリアしながら設計・検証が前進していくのは、僕自身も日々成長を感じるものでした。」
教育データの活用が変える教育現場
教育データを活用することで、教育現場がどう変わるのかをイメージして開発を進めている。教育情報分析基盤のダッシュボードには、学校全体の活動概要を把握する「学校ページ」、クラス単位で生徒の活動状況を把握する「クラスページ」、教科担任が講座の活動状況を把握する「チームページ」、生徒の活動状況を把握する「生徒カルテページ」など、利用者の権限に従って見たい単位で最新データを活用できるように構築している。
「例えば「学校ページ」で、本システムを利用する学校と自校のICT活用状況の比較をすることができます。学校の管理職がこれらのデータを学校経営に活用し、教員の負担改善を図るなど学校経営の判断をすることができます。データに基づいた経営判断が早まることにより、学校現場の課題に早期に対応することができ、教員の労働時間改善や教育の質の向上に繋がります。
また「チームページ」では、今まで把握することが難しかった講座に対する生徒のリアクションや生徒の取り組み状況を把握することができます。データをもとにフォローが必要な生徒に適切なアプローチをしたり、教員が次回授業に向けたブラッシュアップを行うなど、生徒のリアルを示すデータが生徒の学びや成長に繋がる質の高い教育現場を実現します。」
データ活用が未来の学びの場を創る
「教育現場におけるデータ活用が、新たな文化の礎となることは間違いないと確信しています。これまで超えることが難しかった距離・時間・リソースの壁をクリアできるICT技術が進化した世の中で、教育現場で生徒と教員が日常的に教育データを手に取り、一人ひとりの課題やニーズを見える化することができます。これにより、集団のみならず個々の学びがより充実したモノに変わっていきます。」
「教育情報分析基盤を活用した学びの場で育った生徒さんが、いつか共にエンジニアやプロジェクトメンバーとして、更なるサービスのアップデートに取り組んでいけたら、とても嬉しいですね。」
令和6年以降もこのプロジェクトは続き、東京都教育ダッシュボードは段階的に導入されていく。教育データが持つ可能性を最大限に引き出すサービスを提供し、未来の学びの場に豊かな経験と新しい価値観を創り出す。
ATLのロゴが表現する3つのA(Art/Architect/Adventure)を地で行くプロジェクトの挑戦は続く。